読書=都市鉱山?

『里山資本主義』では、里山で産出される余剰作物や間伐材を現代の技術で「価値ある資産」として生かし、「地域通貨」によって流通させるという例が紹介されていました。

では、都会で眠っている「価値」とは?

一般に、住民が廃棄する家電製品から「レアアース」と呼ばれる希少金属を回収することを「都市鉱山」などと呼びますが、私がここで主張したい、もっと身近に眠っている「価値」とは…それは「本」です。

え、何をいまさら。

そう思われますよね(笑)。

 

ついつい本棚に溜まってしまう読了本。

余裕がなくなったら、ブック◯フなどを利用すれば有効活用できるし、お金にもなるし…。

もちろんおっしゃる通りです。

 

けれど、苦労してたくさん本を持ち込んでも、意外とお金にならないことってありますよね。

そして、お金に変えてしまったらそこまで。
(その場で興味のある本に巡り会えたら、それはラッキーでしょうけれど)

 

私が理想だな、と思うのは「読書家同士が直接本を融通し合う」関係です。

ただ、「お金」を媒介させるのではなく、お互いの信頼関係をベースにした交換を重視したいのです。

本を交換することを通じて、本の情報と「思い」をお互いに共有する関係。

そのための人間関係作りに、読書会は最適だと思えたのです。

 

加藤浤和(かとうこうわ)

読書会 ⇒ サブシステム?

私が地元で読書会を始めたころ、当時のベストセラーの一冊を手に取りました。

日本の里山から経済の仕組みを見直すという『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』という本です。
【読書メーター 私の感想】

 

この本で知った、これまでの「市場経済」とは異なる形での「価値の交換」が各地で模索されているという事実は、私にとって大きなカルチャーショックでした。

その主題は、高度経済成長の陰で放置されてきたかつての里山の「生活維持システム」を現代の技術で「再評価」し、グローバリズムとは対極の「経済のサブシステム」を現実化する試みでした。

一例として、林業の間伐材を活用した「バイオマス発電」や、簡単に作れて性能も高い「エコストーブ」(現在はさらに進化した「ロケットストーブ」が登場)などが紹介されています。
【バイオマス発電とは? 仕組みや将来性に迫る】
【ロケットストーブ「焚火缶」6つの魅力】

ロケットストーブ

 

その他、里山の高齢者の方が所有する農地での余剰作物(一定量生産しないと農地が維持できないため放棄されていた)を、地元の「仮想通貨」を介在させて地域社会(住民や介護施設など)に流通させる試みが登場していました。

これによって、放棄せざるを得なかった作物が活かされることで高齢の生産者の方々に再び「喜び」をもたらした事実は、私の心をつかんで離さなかったのです。

 

このときは、流通させるべき「価値」が里山にまだ数多くあるのだなぁ、という感慨に留まっていました。

しかし、ある土曜日、お昼に仕事を終えて自宅でお風呂にゆっくり使っていた時、読書会に眠る「ある可能性」がふと頭に浮かんだのです。

――都会でもそんな「サブシステム」が出来るんじゃないだろうか?

加藤浤和(かとうこうわ)