本を「譲り合う」意味

2019年が明けました。

相変わらず更新のペースが遅いブログではありますが、お付き合いいただけたら幸いです…m(_ _)m

前々回、読書会同士の本の「譲り合い」に関するお話をしました。

そもそも、なぜ「譲り合い」に固執するのか、というお話をしていませんでしたね。

一つは、読書メーターの多くのユーザーの悩みの一つである、「所蔵本が部屋から溢れる」問題。

もう一つは、本の譲り合いを通じて読書好きの裾野を広げる、というものです。

最初の問題は、既存の古書業界を利用すれば当面対処することができます。
これは先の投稿で触れた通り、「労多くして実りが少ない」のが実情です。

ゆえに「譲る側のモチベーション」をいかに上げるか、が重要になってきます。

そのためにも、前提としての「信頼関係」が必要なのでは?

SNSなどをきっかけにして、読書会などのリアルな交流を図る楽しさをより発展させれば、譲る側と譲られる側との「読書の楽しさ」を交換することにつながります。

そして、一度は譲った本も、再読したい時には同じ場で再び入手することもできるようになると思います。

私の読書会でも「本の交換会」を催したことがありますが、より多くの参加者が集う場が育めたら、より可能性が広がります。

実際、昨年秋に開催された読書メーター会員のオフ会での交換会は、多くの本と楽しい交流で思い出深いものでしたから。

加藤浤和 (こうわ)

更新が滞りまして申し訳ありませんでした

夏の疲れが出たのか体調不良も重なり、ブログの更新が2ヶ月も滞ってしまいました。

ご覧になっていただいた皆さんにはなんておわびしたら良いやら…。m(_ _)m

またエンジンをかけていきますので、お暇なときにでも目を通していただけたら幸いです。

さて、都会でも実践できそうな経済のサブシステムの第一歩として、読書家同士での読了本の交換をまずは実際に体験してみようと、とある物々交換サイトに登録したことがあります。

結果は…私が所有する本を1冊譲ることができたものの、あとは結果が出ず…。

そもそも、自分が欲しい本が登録されていなければやる気も削がれますし、交換を申し込んでも返事がないこともありました。

本の交換が成立するためには、まずはお互いの「信頼関係」がなければと痛感した次第。

私が読書会を催すのも、そんな信頼関係を作りたい面もあるのです。

単に本を交換するだけでなく、本に対する「思い」を共有する場が出来れば,『里山資本主義』で紹介された新しい「人との結びつき」が、都会でも実現可能なのでは?

それが、本の交換を端緒として、その他の「余剰品」をいわば共有するような「経済のサブシステム」へと発展したら…。

そう考えるとワクワクしてくるのです。

加藤浤和(こうわ)

読書=都市鉱山?

『里山資本主義』では、里山で産出される余剰作物や間伐材を現代の技術で「価値ある資産」として生かし、「地域通貨」によって流通させるという例が紹介されていました。

では、都会で眠っている「価値」とは?

一般に、住民が廃棄する家電製品から「レアアース」と呼ばれる希少金属を回収することを「都市鉱山」などと呼びますが、私がここで主張したい、もっと身近に眠っている「価値」とは…それは「本」です。

え、何をいまさら。

そう思われますよね(笑)。

 

ついつい本棚に溜まってしまう読了本。

余裕がなくなったら、ブック◯フなどを利用すれば有効活用できるし、お金にもなるし…。

もちろんおっしゃる通りです。

 

けれど、苦労してたくさん本を持ち込んでも、意外とお金にならないことってありますよね。

そして、お金に変えてしまったらそこまで。
(その場で興味のある本に巡り会えたら、それはラッキーでしょうけれど)

 

私が理想だな、と思うのは「読書家同士が直接本を融通し合う」関係です。

ただ、「お金」を媒介させるのではなく、お互いの信頼関係をベースにした交換を重視したいのです。

本を交換することを通じて、本の情報と「思い」をお互いに共有する関係。

そのための人間関係作りに、読書会は最適だと思えたのです。

 

加藤浤和(かとうこうわ)

読書会 ⇒ サブシステム?

私が地元で読書会を始めたころ、当時のベストセラーの一冊を手に取りました。

日本の里山から経済の仕組みを見直すという『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』という本です。
【読書メーター 私の感想】

 

この本で知った、これまでの「市場経済」とは異なる形での「価値の交換」が各地で模索されているという事実は、私にとって大きなカルチャーショックでした。

その主題は、高度経済成長の陰で放置されてきたかつての里山の「生活維持システム」を現代の技術で「再評価」し、グローバリズムとは対極の「経済のサブシステム」を現実化する試みでした。

一例として、林業の間伐材を活用した「バイオマス発電」や、簡単に作れて性能も高い「エコストーブ」(現在はさらに進化した「ロケットストーブ」が登場)などが紹介されています。
【バイオマス発電とは? 仕組みや将来性に迫る】
【ロケットストーブ「焚火缶」6つの魅力】

ロケットストーブ

 

その他、里山の高齢者の方が所有する農地での余剰作物(一定量生産しないと農地が維持できないため放棄されていた)を、地元の「仮想通貨」を介在させて地域社会(住民や介護施設など)に流通させる試みが登場していました。

これによって、放棄せざるを得なかった作物が活かされることで高齢の生産者の方々に再び「喜び」をもたらした事実は、私の心をつかんで離さなかったのです。

 

このときは、流通させるべき「価値」が里山にまだ数多くあるのだなぁ、という感慨に留まっていました。

しかし、ある土曜日、お昼に仕事を終えて自宅でお風呂にゆっくり使っていた時、読書会に眠る「ある可能性」がふと頭に浮かんだのです。

――都会でもそんな「サブシステム」が出来るんじゃないだろうか?

加藤浤和(かとうこうわ)

参加者から主催者へ

私を読書会へ導いてくれた神田昌典氏は、長年、企業の共同プロジェクトに携わってきました。

その中で、個々人の持っている情報を「エクス・フォーメーション」することを通じて、新しい発想を生み出す可能性を強く感じたそうです。

※ 神田昌典氏の発想に関心のある方は、こちらの本をお薦めします。『成功のための未来予報』※
(高校生向けの講演を書籍化したものですが、 その分、とても分かりやすいです)

これは読書会に限らず、読書メーターをはじめとした読書会交流サイトのユーザーの方であれば、皆さんお感じだと思います。

実際に、自分の知見が、他の方を通じて意外な展開を迎えたりするのは実に痛快でもあります。

私も、都心で開催される読書会に参加してみて、世代を越えた交流を楽しむようになりました。

それから一年ほどが経ち、ふと、読書家同士の交流の機会をもっと増やせないか?

そう思うようになりました。

こんな楽しいことを独占するなんてもったいないですから。

そこで、私の地元の読書好きの方を集めて、読書会を主催してみようと一念発起したのです。

加藤浤和(かとうこうわ)

読書会=エクス・フォーメーション

私が読書会に関心を抱いたきっかけは、一冊の本との出会いでした。

それは、マーケッターの神田昌典氏の著書『2022―これから10年、活躍できる人の条件』という本です。
【Amazonのページ】

この本が出たのは2012年。
マーケッターとしての未来への指摘は、現在では的を射た部分もあり、そうでないところも正直あります。

私が一番興味を引かれたのは、「『エクス・フォーメーション』が今後の社会の創造につながる」という点でした。

はて、「エクス・フォーメーション」とはなんぞや?

いわゆる「インフォメーション」=情報は、自己の内面に概念を構築すること。
「エクス・フォーメーション」とは、概念を自分の外に形づくること。

ということだったのですが、これを実感できるのが「読書会」という場だということを知りました。
(実際、神田氏は著書の中で、「リード・フォー・アクション」という交流活動を支援していることも記されていました。)

自分が感銘を受けた本の魅力を、自分の言葉で外に出す…。

ちょっと勇気を出して、読書会に参加してみたい!
そんな気持ちが、私の中でぐんぐん広がっていきました。

加藤浤和(かとうこうわ)