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本作の解説を書かれた、上条ひろみさんのお言葉をお借りして…「ユーモアとコージーとロマンスとアクション(ドタバタともいう) が絶妙にブレンドされた(344p)」、CIA秘密工作員・フォーチュンの濃密な(笑) 日々を綴るお話、第3弾です。
職務の中で犯罪組織から命を狙われることになり、隠遁先として上司から指示されたアメリカ南部シンフルの街に到着して、たまたま人骨を発見したことから始まる騒動を追う1作目、とつぜん故郷に帰ってきた町長の娘が死体で発見された2作目、そして、フォーチュンとの迷コンビのひとり、シンフルの老婦人会のリーダー、アイダ・ベルが町長選挙に出馬したことから端を発するのが今作です。
これまでの作品に倣うかのように、この本でもいきなり殺人事件が発覚。
それも、町長選挙でのアイダ・ベルの対立候補の男性だったからさあ大変!( ̄▽ ̄;)
被害者に盛られた毒物が、アイダ・ベルが地リス退治に使用しているのと同じ銘柄の薬物だったことも災いして、彼女に嫌疑がかかることに。
「スパイは個人的なかかわり持つな」…優秀だった父のことば。それに抗い「親友」のために命を投げうって、今回も”泥まみれ” の仕事を決意するフォーチュンであった…(;・∀・)
ここまでざっとあらすじを述べてまいりましたが、実のところ、1冊分が1週間のエピソードでびっしり綴られているこのシリーズ、今作を含めても”たったの” 3週間しか時間が経過していない、という濃密な物語ですね。
これが、息をつかせぬジェットコースタームービーさながらの展開で描かれているのですから、その特異さは、くどくど説明する必要もないかと。
さすがに3作目ともなると、フォーチュン&シンフル・ソサエティトリオのドタバタぶりは、ほぼドリフのコントさながらの様相を呈してきます。
けれども、そんなマンネリぶりを凌駕する、綿密な伏線の仕掛け方は著者の本領発揮といったところ。
コミカルな爆弾を仕掛けつつも、物語が進むにつれてもつれる謎、ラストの数ページまでハラハラドキドキの巧みな演出は、クセになること請け合いです!( ̄▽ ̄;)
先ごろ、翻訳者のTwitterで4作目の刊行が発表されたばかり。
我々の至福の時間(フォーチュンの苦悶と愉悦? の日々) もまだまだ続くことに、喜びを禁じ得ない私なのです(笑)。
【以下、余談】
アメリカ南部の湿地帯や田舎町を”暗躍する” (笑)、三人の女性の影、地元のイケメン保安官助手との微妙なこころの交流…ここまで来ると、ほぼあの名作「キャッツ・アイ」の香りに近いものが…(;・∀・)
個人的なかかわりを戒めた父の言葉に反すれば反するほど、保安官助手・カーターにどんどんと共感してしまうフォーチュン。
自分たちの「絆」を守るためには、彼を困らせなければならない…。ドタバタ劇の中に、ひとりの女性の細やかな心情を編み込む著者の手腕。
「キャッツ・アイ」を上回るだろう”大人の恋愛の魅力” もまた、今シリーズの見所の一つですね。
→【キャッツ・アイの美人三姉妹に魅了されたあの頃。女性も憧れたカッコいいアニメ】
